巻線機
ノズル巻き式巻線機の研究・内製化
- 背景
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従来は、市販の巻線機を購入していました。
コストダウンと専用の巻き線方式の確立のため内製化が必要となり、機械は社内で製作しましたが、コントローラは内製が難しく購入する必要がありました。
また巻き方自体を研究・トライする必要がありました。
しかし、巻線精度を検証する方法がなく、評価ができませんでした。
各コア形状に最適なノズルや巻き方を追求する必要がありました。
- 課題
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自由で簡単な巻線プログラミング(簡単に新しい巻き方をトライアル)
ノズルでの高精度な巻線動作(3軸以上の補間動作の連続)
精度検証が出来ない
- メリット
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ファインモーションコントローラと専用のEXCELソフトで以下を達成しました。
・一連のノズル巻線動作を正確に実行
・EXCELで複雑な連続動作も簡単に定義
・折り返し部も特別に定義可能
・標準の直線補間命令(LIN)の連続で実現
・各直線補間はなめらか・正確に連続
・動作前にグラフで確認
・生成した巻線プログラムをDNC運転することで大量のステップ数の運転とダウンロードを平行に実行可能
・実行前・空運転・実運転でも軌跡精度の検証
ノズル巻制御の経験をEXCELソフト「REELEX」にまとめました。
さらに、ノズル巻きに限らず目的に応じた多軸巻線動作を定義・運転できます。
■REELEXの概要
基本パターンを作成し、REELEXで巻線パラメータと合成し、モーションコントローラへダウンロードします。
- 補足
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・折り返しの特殊性
巻線は複数の層になります。下の層から端で折り返して、次の層に巻線を重ねていきます。
折り返しタイミングが早すぎると、端に隙間が残り、2層目の最初の巻きがそこに落ち込み形状が乱れてしまいます。
逆にタイミングが遅いと1層目の終わりに団子(意図しない重なり具合)になります。
隙間なしにちょうどうまい形状で2層目が重なり始めるタイミングが重要と言えます。
そのため、折り返しのタイミングを調整するパラメータを施しました。
◆タイミングに影響を与える要素
線材の径やボビン、芯の長さ(1層あたりの長さ)、ノズルやジグのたわみ、線材の張力など
- 関連資料