よくある質問

弊社に寄せられるお客様からのよくある質問とその回答をまとめました。
下記内容で解決できないような疑問・質問は、「お問い合わせ」ページよりお気軽にお問い合わせください。
また、参考資料等は会員の方のみの開示とさせていただいております。詳しくは「会員登録」ページをご覧ください。

1. 販売・契約など

1-1 製品を購入するときの契約や取り決めは、どのようになっていますか?
対象機種
  • 全機種
回答
ご購入の前に」ページをご参照ください。ここにお客様とテクノとの間でお約束することをまとめております。ご注文から納品までは、テクノのお見積もりとこのお約束に準じて進めてまいります。
1-2 製品の価格や納期を教えてください。
対象機種
  • 全機種
回答
価格は、製品ごとに無料でお見積もりさせていただきます。納期は、在庫品がある場合なら1週間程度ですが、基本的には1.5ヶ月程度とお考えください。
また、受注時にご回答する納期は目安であり、事情によっては多少前後する場合があります。詳しくは「ご購入の前に」ページをご参照ください。
1-3 製品の貸出しには対応していますか?
対象機種
  • 全機種
回答
デモユニットのみ、お貸出しが可能です。詳細は「モーションコントローラデモ機無料貸出」ページをご参照ください。
その他の商品はお貸出しできません、予めご了承ください。
1-4 海外からの相談・注文には対応していますか?
対象機種
  • 全機種
回答
申し訳ございませんが、現状では海外に直接対応できる体制はございません。
特別な事情がある場合のみ、別途ご相談に応じます。
1-5 他社コントローラとの違いを教えてください。
対象機種
  • 全機種
回答
一概にはいえませんが、可能な範囲で以下にご説明させていただきます。
1. サーボコントローラとの違い
一般にサーボコントローラ製品は、サーボやパルスモータのみを制御対象としています。また、運転も直線補間、円弧補間、位置決めなどを単発的に動作。比較的単純な運転データです。
テクノのファインモーションは、サーボ/パルスモータ制御はもちろん、入出力、通信、アナログ信号、操作系など、モーション制御(ロボット制御)に必要となる一通りの機能を持っています。つまり、サーボコントローラとテクノのファインモーションでは、制御対象の範囲が異なってくるのです。
2. 他社のモーションコントローラとの違い
各社特徴があるため単純には比較できませんが、テクノのファインモーションの特徴は以下の通りです。
  • 緻密なモーション機能が得意で、種類も豊富に準備しています(標準仕様+オプション機能)。
  • お客様の負担を最低限にできるよう、簡単に使える完成形でご提供します。
  • G言語が使えるので、専用加工機などにも応用できます。ミニNCともいえます。
  • テクノ言語が使えるので、ロボットコントローラとも呼べます。
  • PC上のお客様ソフトからテクノDLLを経由して、自由に指令・操作・監視できます。
  • お客様のどのようなご要望も、スムーズに実現します。
  • 市販のACサーボやPLCとの組み合わせを重視しています。
  • 特に横河電機PLC「FA-M3R」との連携が強力なプラットフォームとなっています。
  • ボード型もPLCモーションも、同じ使い方ができます。
  • 独立したモーションコントローラと、PLCやPCともリアルタイム・自由に連携する組み込み型コントローラの要素の両面を持っています。詳細は、以下を参照ください。
    新PLCモーションガイダンス / 他社製品との比較
1-6 オプション機能は、あとから追加購入できますか?
対象機種
  • 全機種
回答
はい、可能です。その場合、オプション費と更新費(管理費)が発生します。現状のROMSWファイルをメール送信いただきましたら、それにオプション情報を追加して、返送いたします。

2. 導入

2-1 購入前に確認しておくべきことはありますか?
対象機種
  • 全機種
回答
ご購入の前に」ページをご覧ください。ここで、テクノ商品やご契約に関する基本事項を説明しております。
2-2 「シリアルナンバー」「グループ管理」とは何ですか?
対象機種
  • 全機種
回答
【シリアルナンバー】
ファインモーションは、すべてシリアルナンバーで固体管理されており、異なるシリアルナンバーのROMSW/ファームはダウンロードできなくなっています。
【グループ管理】
特定の条件では、同一種のシステムにグループ番号を付けて一括管理しています。同じ機種でファームやROMSWの設定を使い回したい場合、グループ管理にすることで、同じグループ内のシリアルナンバーのデータを相互に使い回すことが可能。特にオプション選定やカスタム情報との関係が重要です。
参考
2-3 各マニュアルはどうすれば入手できますか?
対象機種
  • 全機種
回答
会員登録」ページからご登録いただければ、「マニュアルダウンロード」ページにてすべてダウンロードできます。また、ユーザの方のご希望によっては、CDにデータを入れてお送りさせていただきます。紙面でのご提供できませんので予めご了承ください。
参考
2-4 使用できるWindowsのver.は?
対象機種
  • 全機種
回答
「Windows98/NT4.0 SP3以降/2000/XP/Vista/7」に現在対応しております。
対応機種によりバージョンは異なりますため、各々のマニュアルを参照ください。
参考
その他の機種については「マニュアルダウンロード」ページ(会員限定)をご覧ください。
2-5 サーボモータを選定する場合、機械設計側で準備しておくべき情報はありますか?
対象機種
  • 全機種
回答
各サーボメーカから提供される「モータ選定プログラム」を使ってください。
必要な情報は、おもに以下の内容です。以下の情報をもとに、不明点があればサーボメーカ相談窓口や代理店にご相談ください。
1. 回転型モータの軸の場合
  • 駆動対象の重量(回転機構の場合は、慣性)またはモータ軸から見た慣性
  • ボールネジの場合:長さ、径、ピッチ
  • ギヤ/タイミングベルトなどがあれば、ギヤ比/プーリ費
  • 検出単位(位置制御単位)1P=0.1μmなど
  • 最高速度
  • ストローク
  • ガイドは?(通常の転がり?静圧?)摩擦の大小を検討
2. リニアモータの場合
  • 駆動対象のおよその重量
  • 必要とする最大加速(または加速時に必要な推力)→必要な最大推力を確認するため
  • 検出単位(位置制御単位)1P=0.1μmなど
  • 最高速度
  • ストローク
  • ガイドは?(通常の転がり?静圧?)摩擦の大小を検討
2-6 RS232とUSBを比べると、性能がいいのはどちらですか?
対象機種
  • SLM4000
  • SPX8000
回答
USBです。USB通信の通信パフォーマンスには、RS232Cに比べて約50倍の性能があります。また、HUB経由で1対N通信にすることで、1台のPCで複数のファインモーションを並列に使用することも可能です。USB通信の特徴については、「ワンボードモーションコントローラ」をご参照ください。
2-7 導入後、はじめに何をすればいいですか?
対象機種
  • 全機種
回答
PCソフトのインストールから通信の確認までの導入作業を行っていただきます。ユーザーズマニュアル導入編に従って作業を進めてください。
参考

3. ハード関連

3-1 バッテリバックアップは、どのくらいの間、保てるのですか?
対象機種
  • 全機種(PCベースファインモーション、PCベースモーションライブラリを除く)
回答
機種 方式 バックアップ期間
SLM4000 スーパーC(基板に実装)
外付けリチウムバッテリ
約2週間程度(気温、湿度、スーパーCの劣化状態によって変わります)。
設計値として、無通電で10年程度です。
SPX8000
ニッカドバッテリ(基板に実装)
ニッカドバッテリ(基板に実装)
外付けニッカドバッテリ
(基板上のバッテリ+外付けバッテリ)
0.5~1ヶ月程度です。
(気温、湿度、バッテリの劣化状態によって変わります)
2ヶ月程度です。
(気温、湿度、バッテリの劣化状態によって変わります)
PLMC40 リチウムバッテリ(基板に実装)
設計値として、無通電で10年程度です。
PLMC40のバックアップは充電式ではありません。
基板上のリチウム電池でバックアップしています。
通電状態及び気温、湿度の影響で変わります。
PLMC-MII
PLMC-MIIEX
PLMC-M3EX
MAMP-A5
バッテリバックアップ機能無し
フラッシュメモリでバックアップ
フラッシュメモリですので、通常は発生しません。
発生する可能性があるとすれば、「ハード個体不良(故障)」「フラッシュメモリの10万回書き込み制限」です。
MCDRV バッテリバックアップ
設計値として、10年程度です。ボタン電池のため交換が容易です。
参考
3-2 どのメーカのサーボやパルスモータが使えますか?
対象機種
  • SLM4000
  • PLMC40
  • PLMC-MII
  • PLMC-MIIEX
  • PLMC-M3EX
  • MCDRV
  • SPX8000
  • RTMC-M3
  • RTMC-EC
  • RTPL-M3
  • RTPL-EC
回答
【SLM4000/PLMC40/MCDRV/SPX8000】
パルス列指令パルス出力の電気特性及びパルス形態を満たす物であれば接続可能です。
【SPX8000】
アナログ指令アナログ出力の電気特性(±10V/2mA)を満たす物であれば、接続可能です。
【PLMC-MII/PLMC-MIIEX】
安川電機のMECHATROLINK-II仕様のΣシリーズ(Σ-II、Σ-III、Σ-V)です。
【PLMC-M3EX】
安川電機のMECHATROLINK-III仕様のΣシリーズです。
【RTMC-M3/RTPL-M3】
MECHATROLINK-III対応サーボ(安川電機サーボ、日機電装製など)。
【RTMC-EC/RTPL-EC】
EtherCAT対応サーボ(Panasonic、OMRON、日立産機製など)。
参考
3-3 耐ノイズで気をつけるべきことはありますか?
対象機種
  • 全機種
回答
【一般的な注意事項】
ノイズ発生源への対策が重要です。ソレノイドやマグネットなどの誘導性負荷には、コイルの直近でサージサプレッサをつけることが必要。ボード側及びパソコン側でもアースをとらないようにします。また、シールド及びFGは相手機機側で落とすことを基本としてください。
【制御盤設計時の注意事項】
  • 信号線と動力線をできるだけ距離を離し、平行もさせない。
  • アースのとり方、シールドの処理をきちんと行う。
  • 詳細は、以下の参考を参照ください。
【PLMC、PLMC-MII/MIIEX】
モジュールをベースに実装時に実装すると、モジュール内のGNDとFA-M3電源のFG端子は、ベースモジュールを通してコモンになります。
参考

4. 運転プログラム

4-1 対応しているG言語(Gコード)を教えてください。
対象機種
  • SLM4000
  • PLMC40
  • PLMC-MII
  • PLMC-MIIEX
  • SPX8000
回答
一般的なNCの基本的なGコードに対応しています。固定サイクルなど、特殊なGコードには標準では対応していません(専用化等で対応可能なGコードもありますので別途ご相談ください)。具体的な対応コードについては、各種マニュアルをご参照ください。
参考
4-2 テクノ言語(テクノコード)とは何ですか?
対象機種
  • SLM4000
  • PLMC40
  • PLMC-MII
  • PLMC-MIIEX
  • SPX8000
回答
弊社が規定している、運転プログラム作成用のプログラミング言語です。(G言語と類似)一般的なG言語の機能をロボット言語的にして、更に汎用入出力命令などを加えたイメージです。G言語よりもわかりやすい記述になっています。

例)直線補間命令
 Gコード:G01X___Y___F___;
 テクノコード:LINX___Y___F___;(LINear)
参考
4-3 運転プログラムのステップ数と本数はどのくらいですか?
対象機種
  • 全機種(PCベースモーションライブラリを除く)
回答
プログラム分割数(ROMSW) 0 1 3 4
SLM4000 888ステップ×3本(2) 444ステップ×6本(4) 222ステップ×12本(8)
PLMC40 888ステップ×3本(2) 499ステップ×6本(4) 249ステップ×12本(8)
PLMC-MII 1,859ステップ×1本 619ステップ×3本 154ステップ×12本(8) 154ステップ×12本)
PLMC-MIIEX
PLMC-M3EX
MAMP-A5
58ステップ×64ブロック
※1プログラムの最大は32ブロック
SPX8000 619ステップ×3本(2) 309ステップ×6本(4) 154ステップ×12本(8)
MCDRV 800ステップ×3本 400ステップ×6本 200ステップ×12本
()内はDNCオプション有効時の本数です。
参考

5. 原点復帰

5-1 原点復帰と原点設定の違いは何ですか?
対象機種
  • 全機種
回答
【原点復帰】
原点信号/モータのC相など物理的な基準を元に機械原点の検出/セットアップ/位置決めを行います(機械座標系原点)。
【原点設定】
特定の位置を論理座標系の原点として設定します(論理座標系原点)論理座標系アブソ命令(PTPA/LINA等はこの座標系で動作します)。
参考

6. 制御軸

6-1 補間移動は、何軸まで可能ですか?
対象機種
  • 全機種
回答
直線補間命令は以下の通りです。
機種 補間軸数 最大軸数 タスク
SLM4000 4 4 2
SPX8000 9 9 2
PLMC40 4 4 2
PLMC-MII 9 16 2
PLMC-MIIEX 9 16 8
PLMC-M3EX 9 16 8
MAMP-A5 7 7 8
MCDRV 6 6 8
RTMC-M3/EC 9 16 8
RTPL-M3/EC 62 62 -
円弧補間は、機種によらず「2軸+ヘリカル軸(1軸)」です。
参考
6-2 最高速度は何ppsですか?
対象機種
  • 全機種
回答
【SLM4000/PLMC40/PLMC-MII/SPX8000の場合】
ソフト的な制限は4Mppsです。
それに加えて、SLM4000/PLMC40/SPX8000ではハード(パルス指令出力/フィードバックパルス入力)の制限があります。
機種 パルス指令出力 FBパルス入力
SLM4000 4Mpps 5Mpps
SPX8000 1M/4Mpps(オプション) 5Mpps
PLMC40 4Mpps 5Mpps
パルス指令出力の最高速度はROMSW設定のパルスジェネレータクロックで選択します。
 制御周期との関係から設定できる範囲が変わります。
パルス指令出力は、サーボアンプ側で受けられる速度もご確認ください。
パルス指令出力/FBパルス入力共、上記制限はボード上のICの所での出力/入力制限です。
実際には相手機機・配線長・差動/オープンコレクタの違い等により信号が劣化して、仕様通りの速度が出せない可能性があります。
【PLMC-MIIEX/PLMC-M3EX/RTMC-M3/RTMC-EC/RTPL-M3/RTPL-ECの場合】
機種 指令pps(pulse/sec)
PLMC-MIIEX
PLMC-M3EX
RTMC-M3
RTMC-EC
RTPL-M3
RTPL-EC
1Gppss
参考
6-3 MECHATROLINK/EtherCATならどれでも接続可能ですか?
対象機種
  • PLMC-MII
  • PLMC-MIIEX
  • PLMC-M3EX
  • RTMC-M3
  • RTMC-EC
  • RTPL-M3
  • RTPL-EC
回答
各サーボメーカへの確認が必要です。また、I/Oへの対応も確認が必要です。
テクノにお問い合わせいただければテクノ内での実績をお伝えします。
6-4 パルス列指令なら、どのメーカでも使えますか?
対象機種
  • SLM4000
  • PLMC40
  • SPX8000
  • MCDRV
回答
【SLM4000/PLMC40/MCDRVの場合】
パルス指令出力は差動出力(ラインドライバ)です。フィードバックパルス入力は差動/オープンコレクタ入力です。
【SPX8000の場合】
パルス指令出力/フィードバックパルス入力共に差動/オープンコレクタを選択することが可能です。
ただし、オープンコレクタの場合はご注文時にご指定ください。指定がない場合は、差動設定で出荷いたします。

市販のサーボアンプやパルスモータアンプであれば、ほぼ接続できますが、実際には接続機器の電気的な仕様をご確認の上、ご使用ください。尚、パルス指令出力は信号形態やパルス幅の選択も可能です。
参考
6-5 補間前加減速機能とはどのような機能ですか?
対象機種
  • 全機種(PCベースモーションライブラリを除く)
回答
  • 直線補間や円弧補間の連続点での速度変化(加速度)を自動計算し、その大きさによって、適切な速度に減速/加速します。例えば、2m/秒速度の直線から、0.5m/秒の円弧に進入するときに、直線補間の最後に減速してから、円弧に進入します。
  • 補間前加減速のメリット
    • (1)コーナ内回りの軌跡誤差の最小化。
    • (2)加速度を自動判別して、必要に応じて加速度を制限すべく自動的に減速。
    • (3)判定や減速度合いは、PLMCの自動計算ですので、運転プログラム作成者が個別に計算する必要はありません。
    • (4)判定基準や加減速時定数は予め自由に設定できます。
    • (5)判定区分は6段階で、かなり自由度がありますので、機構に応じて最適な設定が可能です。
参考
6-6 SLM/PLMC40/SPX(パルス列仕様)でのクローズドループ制御は可能でしょうか?
対象機種
  • SLM4000
  • PLMC40
  • SPX8000
回答
一般的なパルス列指令のサーボであれば、クローズドループ(フルクローズ)制御はドライバ側で行います。スケールFB(フィードバック)をドライバー(サーボアンプ)に入力します。制御的には位置ループ制御がドライバ側にあるので、上記の方法になります。ステッピングモータなど位置ループを持たないドライバに対して、位置ズレの検出を行い、ずれた場合に位置補正を行うことであれば、カスタム対応となります。

7. ラダーからの運転

7-1 ラダーのサンプルはないのですか?
対象機種
  • PLMC40
  • PLMC-MII
  • PLMC-MIIEX
  • PLMC-M3EX
回答
サンプルのラダーと説明書があります。
必ず最初にご覧ください。
参考

8. Windows上のPCアプリからの運転

8-1 対応可能なVBやVCのバージョンは?
対象機種
  • 全機種
回答
機種 バージョン
PLMC40 Microsoft Visual C++ 6.0 Microsoft Visual Basic 6.0
PLMC-MⅡEX
PLMC-M3EX
MCDRV
MAMP-A5
RTMC-M3
RTMC-EC
Microsoft Visual C++ 6.0 Microsoft Visual C++ 2005
Microsoft Visual Basic 6.0 Microsoft Visual Basic 2005
Microsoft Visual C# 2005
RTPL-M3
RTPL-EC
Microsoft Visual C++ 2008
参考

9. マクロ機能

9-1 マクロ機能オプションは動作プログラム中での演算、及び条件判断を行わなければ使う必要はありませんか?
対象機種
  • 全機種(PCベースモーションライブラリを除く)
回答
基本的にはそうです。ただし演算だけではなく、以下のような間接的な位置決めも可能です。
  • LIN X#1000、Y#1001、F2000
  • PTP X#1000、Y#1001
これらのマクロ変数をラダーから書き込めば、運転プログラムをそのままに、その都度目標位置を変更できます。
参考

10. 制御系や多軸補間に関連して

10-1 軌跡制御や多軸補間動作に関連して、モーションコントローラとサーボの役割分担を教えてください。
回答
サーボアンプはマイコン等が搭載されていて、エンコーダ情報をもとに位置ループや速度ループのFB(フィードバック)制御でモータを制御しています。1軸毎の制御です。
モーションコントローラは、正確に複数のサーボアンプに対して指令を出すシステムで、多軸の同期をとる役目を果たしています。また、軸の制御以外に、I/O制御、通信制御などの機能も持っています。
10-2 テクノのモーションコントローラは「位置ループ制御」や「速度ループ制御」を行いますか?
回答
テクノのモーションコントローラでは、位置ループ制御や速度ループ制御は行わず、サーボアンプにて行っています。
10-3 モーションコントローラ側では、速度ループ制御をしないのですか?ファインモーションでは、トルク制御ができないのですか?
回答
速度ループをMC内に取り込んで、サーボアンプをトルク指令で使う物も世の中にはあります。ただ、テクノでは、生産機向けには汎用的なサーボで実現する方法がベストと考えています。特に最近のACサーボの性能を考えるとサーボアンプに任せるのがベストでしょう。
ただし、トルク指令やトルク制限の機能は、PLMC-MⅡEX/PLMC-M3EX/RTMC-M3/RTMC/ECでは対応できます(一部専用化対応)。つまり、トルク指令やトルク制限機能は、速度ループ制御をサーボに任せながらも実現可能です。
10-4 サーボ系をベストにするための機構系への要求は?
回答
結論的にいえば、制御的に機構の伝達関数を「1」にすることです。
メカロスなし、バネ要素なし → 遅れなし、非線形なし
イナーシャ、摩擦を小さく → モータから見て、動かし易く理想負荷
変形や変位なし → 機構そのものの精度
10-5 フルクローズ制御のメリット、デメリットは?特に多軸の軌跡制御との関係の場合で教えてください。
回答
【メリット】
スケールで位置検出しますので、ボールネジやギヤなどの機構的な誤差を補償できます。そのため停止精度、静的精度が向上します。
【デメリット】
制御ループの中に遅れ要素が増えるので、サーボ系の伝達関数は悪くなります。結果、ゲインが上がりません。そのため、軌跡精度(動的精度)は低下します。
10-6 フルクローズ制御を採用するときの注意点は?
回答
モータの軸端や駆動部から、スケールの検出部までの間に、なるべく不安定な要素を含めないことが重要です。不安定な要素とは、複雑な機構や機構のガタやたわみなどです。また、メカ機構部の条件によりフルクローズができない場合もあります。例えば、高減速機をつけると、モータエンコーダの1パルスに対して、出力軸の回転角度が非常に小さくなってしまい、ロータリ型のスケールでも検出できません。
10-7 軌跡精度を向上させるための方法は?
回答
(1)機構の剛性
まずは、機構の剛性を上げて、サーボ系のゲインを高く設定できるようにすることです。具体的には「不感帯(ガタ)なし」「バネ要素(柔らかさ、たわみ)なし」「イナーシャを軽く」となります。

(2)ファインモーションでの補正機能
標準機能  補間加減速時定数を極力小さく
バックラッシュ補正
オプション機能  ピッチエラー補正/形状補正/補間前加減速
専用化 ヨーイング補正/直角度補正など

(3)サーボアンプでの補正機能
基本  位置ループゲインや速度ループゲインをできるだけ高くお互いの軸の位置ループゲインを同じ値にする
応用機能  フィードフォワード制御、予見制御、予測制御などアドバンスな制御

いずれの補正機能も条件では副作用もあり得ます。実機での効果は、各々で異なります。
10-8 多軸の軌跡精度(同期性)を検証する簡単な方法は?
回答
ファインモーションには、TPCロギング機能があります。
FB情報を定時サンプリングして時系列データにしますので、同期性の検証が可能です。
詳しくは「TPC-EXCEL(モーション解析ソフト)」(会員限定)をご参照ください。